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コロンブスがアメリカを発見する以前、イロコイ族は現代のアメリカ領土の数箇所を占領していた。現在のペンシルベニア州、オハイオ州、ニューヨーク州とオンタリオとエリーの五大湖周辺、セントローレンス川の岸などである。イロコイ族は主に土地の耕作に専念していた。トウモロコシ、豆類、タバコ、ヒマワリ、かぼちゃを栽培し、湖からマコモを採取した。また鹿、ヘラジカ、カワウソ、ビーバーを狩猟し、その皮で衣服を作った。 イロコイのいくつかの部族が集まって、イロコイ同盟が結成された。この同盟に加わった部族には、カユーガ族、モホーク族、オノンダガ族、オナイダ族、セネカ族などがある。イロコイ同盟を結成するという構想はイロコイ族の尊敬を集めていた精神的指導者、デガナワイダによるものだ。
ロングフェローの叙事詩で賛美されているオノンダガ族の酋長、アワサが数部族を纏め上げることに成功した。1722年に、南から移動して来たタスカローラ族もこの同盟に加わった。 6部族から成る同盟はかなりの兵力になったため、五大湖周辺の他の部族にも命令することができた。イロコイ族は近隣の部族に貢を納めさせた。しかし、ヒューロン族はこれに抵抗した。彼らはイロコイ族を相手に戦ったが、敗北した。
同盟の枠組の中で、それぞれの部族は独立を維持した。同盟の運営は会議の判断に委ねられた。この会議はさまざまな部族からの代表者50名で構成されていた。監督責任は同等の権限を持った2人の指揮官にあった。 ただし、各部族の代表者には2人の決定を拒否する権利が与えられていた。イロコイ族はロングハウスで生活した。このような住居1軒に暮らす住民はイロコイ社会の最小社会単位だった。一番年長の女性がロングハウスに暮らす家族の頂点にいた。もし、その住居からの同盟会議の代表者が死んだ場合、彼女はその住居に暮らす男の中から新しい代表者を選ぶことになっていた。この住居がいくつか集まって、原住民の氏族を構成した。 氏族が3つから8つ集まって、部族を構成した。これと類似した社会構造は北アメリカの原住民族の多くに共通するが、イロコイ族のように同盟の結成に成功した例は稀である。


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