アメリカンコンクエスト - エンサイクロペディア

マヤ文明はコロンブス登場以前のアメリカで最も高度な文明の1つに数えられる。「マヤ」という名称は実はコロンブスの考案であり、「インディアン」と類義語である。この言葉はユカタン半島に居住する人々を指し、原住民の交易者同士の間で使われているのが耳にされた。半島の名前「ユカタン」は、「あなたが何を言っているのか分からない」という意味の原住民の言葉「シオウ・タン」を語源としている。これは原住民の交易者がヨーロッパからの探検家の質問に答えた時の言葉である。マヤ人は中央アメリカの山地コルディジェラスと、現在ではグアテマラとホンデュラスの領土になっている熱帯の低地ペテンで生活していた。マヤ文明は西暦紀元の遥か以前に誕生し、他の文明には比較的影響を受けずに発達した。

マヤの社会構造は古代ギリシャ社会と極めて類似している。国はいくつも都市国家で構成された。国の頂点にいたのは、「ハラック・ウイニック（偉大なる男）」と呼ばれる支配者である。彼の権力には制限がなく、その地位は終身制だった。最も裕福な市民層で構成され、支配者が重要な決定を下す際、「クック・カボブ」と呼ばれる会議が補佐した。彼らはまた、支配者の出した命令の執行の監督も行った。「バタブス」は都市国家に所属する居留地を管理した。彼らの役職も世襲制だった。戦時には、彼らは村で集めた兵力を指揮することになっていた。役人（「アウ・クレボボス」および「アウ・ホロプス」）はバタブらが村を統治するのを手伝った。貴族は防壁で囲まれた都市の中心部にある石造神殿で暮らした。労働者と職人は周辺部のシュロの葉で覆われた小屋に住んでいた。人口の大半はトウモロコシの栽培と加工に従事した。トウモロコシの他に、マヤの人々は綿、豆類、タバコ、カカオを栽培し、野兎を狩猟し、トカゲやアルマジロを捕まえた。時には、七面鳥や野鴨も飼育した。マヤの国家には、自由労働者とは別に奴隷も存在した。そのほとんどは戦争で獲得した捕虜だった。マヤの人々は非常に発達した科学を持っていた。特に数学分野での彼らの発見には並外れたものがある。彼らは旧世界より千年以上も先に0を発見して｢たのだ。大きな数字を記録する時の桁の体系を導入したのも彼らが最初である。彼らの数の体系は我々のものに非常に類似しているが、基数は20だった。マヤ国家では、天文学と文字も発達していた。マヤ人が居住していた基本的な領域はウスマシンタ川に沿っていた。ここにはコパン、ティカル、キリグア、パレンケ、ヤクスチラン、ウアクサクトゥンなど、数多くの壮大な都市が存在していた。中でも最も重要な都市は495年前後に建設され、イッツア人にちなんで命名されたチチェン・イッツアの都市である。これらは宮殿とピラミッドを持つ美しい都市だった。しかし10世紀までに、これらの都市は衰退してしまった。その理由は謎である。

987年に、チチェン・イッツアはトルテク部族によって征服された。征服者らはマヤパンとウクスマルという2つの新都市国家を築いた。この2つは後に合併されて、マヤパン連盟を形成した。しかし、1194年までに都市間の抗争により戦争が勃発した。ココム王朝のウナック・セールがチチェン・イッツアを攻撃して、奪取した。彼はユカタン半島全域を自分の支配下に入れた。ココムの統治は250年続いたが、1441年に彼らに対する反乱が起こり、マヤパンの首都が滅ぼされた。この出来事に続いて、マヤ国家が18の独立国家に分割された。1511年にヨーロッパ人が初めてユカタンに到達した。彼らはバルディビア船長率いるスペイン人たちだった。船長はダリエンで起きた暴動のことを知らせるためのエスパニョーラ総督へのメッセージを届けるとともに、国王のための2万ペソを届ける途中だった。しかし、スペインの快走帆船はその目的地には到着できなかった。スネーク川の浅瀬を回った後、座礁した。

水夫20名がボートでどうにか脱出し、30日間の航海の末、ユカタンの岸に漂着した。地元民は生き残っていたスペイン人を捕まえ、バルディビアも含めて、そのうちの4名を生贄にした後、食べた。生き残っていたスペイン人5名は囚われの身から逃走し、何日も歩き続きけた後、2名がスペインの領域に到達した。1517年に、フランシスコ・デ・コルドバ率いる新しい遠征隊がユカタンに上陸した。スペイン人とマヤ人の衝突が数えられないほど頻発したが、コルテスもコロドバもユカタンを完全に征服するには至らなかった。これを成し遂げたのは、無慈悲で狡猾なドン・フランシスコ・デ・モンテホである。殺害した原住民の肉を犬の餌にするという風習を始めたのもこの男だ。1542年に父と同じ名前を持つモンテホの息子がマヤの都市ティホを滅ぼし、その一帯で初のヨーロッパ都市メリダを築いた。1546年、彼はユカタンで最後まで抵抗していたマヤ人を敗北に追い込んだ。